中国を語る |
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絶望からの行為:チベット人の焼身自殺 |
このショッキングな写真(Newsweekから)は、胡錦濤のインド訪問に合わせ、中国政府によるチベット弾圧に抗議して、火だるまになりながらインドの町を走っていく青年だ。彼は、即死はしなかったが、全身のやけどから、二日後に死んだ。そして彼が死んだ日には、四川省のチベット人居住地区で、僧侶が焼身自殺をした。 チベット人の焼身自殺による抗議活動が非常に活発化している。今年はすでに30人が各地で焼身自殺した。中国共産党は、これを中国への敵対行為だとして厳しく弾圧し、ダライ・ラマが背後で操っていると非難しているが、ダライ・ラマ自身は、こうした行為はチベット仏教の教えに反しているといって、自粛を呼びかけている。 しかし、チベットの人たちには、中国によるチベット人の抑圧が、さまざまな意味で許せない。まず自分たちの精神的なよりどころであるダライ・ラマが、中国政府によってお尋ね者扱いされていること、そしてチベット人が住んでいた地域に漢民族が怒涛のようになだれ込んできて、チベット固有の文化や社会のあり方が、深刻な危機に瀕していることなどだ。 彼らにとって、こうした怒りを形にあらわし、チベット人の自治と誇りを取り戻すためには、ほかに方法がないのだという。 なんともやるせないことだ。 |
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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2011 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |