中国を語る
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中国とロシアはサイバー犯罪の巣窟:米諜報機関の報告


アメリカのある諜報機関が最近公表した報告書は、中国とロシアがサイバー犯罪の巣窟になっていると非難した。とりわけ中国の場合にはアメリカ企業などを標的にして、重要な経済情報を盗み出しており、被害の規模は巨額にのぼるとしている。

中国が他国の機密情報を盗み出すために国を挙げてとりくんでいるらしいことは先稿でものべたとおりだが、ロシアもまた、遅れた技術水準を底上げするための格安の手段として、ハッキングを活用しているようだ。

こうした批判に対して、両国とも根拠のない言いがかりだと反発している。

これとは別に、最近ロンドンでサイバー空間にかんする国際会議が開かれ、サイバー犯罪を取り締まるための政府間の信頼関係を構築すべきだと確認したが、具体的にどうすべきかについての戦略はまとまらなかった。

ネット犯罪を取り締まるための国際法規としては、2001年に米英など32か国が批准したサイバー犯罪条約がある。当面はこの条約をベースにして、有効な取り締まり方法についての国際的な取り決めを強化するというのが現実的なやり方だと考えられるが、これには中国もロシアも後ろ向きだ。

中国は、そもそもこの条約が欧米諸国の利害に基づいて定められたもので、中国はそれにしばられるつもりはないといっている。その陰には、自分自身がサイバー犯罪の当事者であるという事情のほかに、国民世論の誘導を目的にネット空間の言論統制をもくろんでいるといった事情もあるようだ。

ロシアの方は、ネット上にも国家主権があるなどと、わけのわからぬ理屈を振り回して、サイバー犯罪の取り締まりにむけた国際社会の動きに唾を吐くようなことをしている。(写真はロイターから)





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