中国を語る
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艾未未(Ai Weiwei):中国の人権弾圧


中東のジャスミン革命が中国に波及するのを恐れた共産党政権は、国際社会の非難をよそに、なりふり構わず人権活動家を弾圧している。作家の冉雲飛氏が国家政権転覆罪容疑で拘束されたほか、唐吉田、浦志強、滕彪ら人権派弁護士などが身柄を拘束された。

中でも政権側がもっとも神経を使っているのが、国際的に有名な芸術家・建築家でかつ人権活動でも知られる艾未未(Ai Weiwei)氏だ。

氏は天安門事件以来共産党政府を批判し続けてきており、そのことで政権側から目の敵にされてきたが、なにしろ国際的に有名な人物とあって、政権側も露骨な弾圧を控えてきた。だが、劉暁波氏のノーベル賞受賞を契機に、艾未未氏の発言が国際的に注目されたことや、中東の動きに刺激されて中国の民主化運動が高まりを見せるのを前にして、政権側も、氏を露骨に弾圧するようになった。

まず昨年の12月、ノーベル賞に出席するためオスロ行きを準備していたところ、官憲によって自宅軟禁の状態に置かれた。今年の1月には上海のスタヂオが官憲によって襲撃され破壊された。そして先日、香港行きの飛行機に乗り込もうとしていたところを、官憲によって拘束された。

官憲も今回は厳重な姿勢を示しており、艾未未氏を国家転覆罪などの重罪の容疑で起訴しようとしているようだ。氏を拘束した後、事務所を急襲し、そこにいた数人の関係者を拘留したほか、大量の資料を没収した。

こうした動きに対して、外国の人権団体が批判しているが、中国当局は中国の法律は西洋の法律とは異なった原理に基づいているといって、こうした批判を相手にしない態度をとっている。(写真はAP)





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