中国を語る |
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中国のハッカーたち:Google へのサイバー攻撃 |
グーグルが中国市場から撤退したのは今年 (2010年) の春、その背景には、中国政府による苛烈な検閲と中国にベースをおく何者かによるハッカー攻撃があったことが云々されてきたが、このたびウィキリークスがその事情の一端を詳しく暴露した。 それによれば、中国最高指導部のメンバーで、思想・宣伝部門を統括する李長春政治局常務委員と、治安維持を担当している周永康政治局常務委員の指示で、ダライ・ラマの名や天安門事件に言及した記事が検索から削除されたほか、グーグルへのサイバー攻撃が組織的に行われたとある。 サイバー攻撃の内容は多岐に渉っており、単にサーバーをダウンさせるだけでなく、サーバー上に蓄積されている個人情報を盗み出すというのも含まれていた。これによって、生命や安全に重大な脅威を感じる人もあったという。 面白いことに、李長春がこうした攻撃を思い立ったのは、ネット上で自分の名前を検索したことがきっかけだった。検索の結果出てきたサイトがすべからく自分を批判・攻撃するものばかりだったので、すっかり立腹した李長春は、インターネットを厳しく取り締まらねばならぬと、確信したというのだ。 李長春は一方で、インターネットというのは、使い方によっては、貴重な情報、それも敵にとって生死に係るような情報を得ることもできると気づいた。そこで、アメリカ政府のサイトなどに直接サイバー攻撃を仕掛けることで、そうした情報を組織的に収集するようになった。 中国の当局者は、こうした推測を一切否定しているが、インターネットの力を逆手にとって、派手な情報戦を展開していたわけだ。 この結果、中国の政府要人の間では、インターネットは自分たちの思い道りにコントロールできるという確信が広まっているそうだ。(上の写真:AP提供) |
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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2011 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |