中国を語る
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孔子の子孫は200万人

今年は孔子生誕2560年にあたる。中国では60年ごとに暦が変わるという考えが今でも生きているから、暦が44回巡回した記念すべき年だ。それにあわせて、孔子を祖先とする家系図の体系が再整備された。その結果今日世界に孔子の子孫が200万人以上いることがわかった。

孔子を祖先とする家系図は、世界最古の Family Tree としてギネスブックにも登録されている。2560年もの間、連綿と記録されてきたことは、驚くべきことといえるが、それも孔子に対する中国人の並々ならぬ敬愛が働いた結果といえよう。

「孔子世家譜」と呼ばれるこの家系図は歴代の王朝によっても尊重されてきた。民間に保存されていた孔子の家系図を国が裏書するような政策も行われた。明の時代の末期(17世紀初期)に国による大規模な系図編纂作業が行われたのをはじめ、清の時代に三回、中華民国の時代に一回大改定がなされている。今回はそれを踏襲して、第5回目の大規模改定となる。

過去最後の改定となった1937年の調査では、孔子の子孫は60万人ばかりだった。それが今回200万人以上に膨れ上がったのは、いままで数の中に含まれていなかった女性や少数民族と混血した人たちが含まれるようになったからだ。

孔子から数えて最も代を重ねた系統は、今年で83代目になる。世界中のどの家系よりも古いことは、ギネスブックが認証するとおりだ。

それにしても、結婚ができない等の理由で子孫を残すことのできなかったもの、あるいはできないものが沢山いるというのに、こんなにも大勢の子孫を残せたというのは驚くべきことだ。

孔子以外にも、大国の王だったものをはじめ、沢山の子孫を残したものはいる。英国のある王は、今日に至るまでに60万人の子孫を残したとする研究もある。だが200万人というのは、いくらなんでも人の想像を超えた数字だ。

孔子の思想は儒教という形で歴史に大きな力を発揮したが、彼の遺伝子はその思想以上に強力な生命力を持っていたということだろうか。





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