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紹興魯迅古里を訪ぬ:呉越紀行その十一 |
十一月十三日(日)晴。起床して窓外を見下ろすにホテルは運河に面してあり。食後九時頃にホテルを辞し十時頃紹興市内魯迅古里に至る。バスより下りたるところ、眼前に指のない手を差し出さる。乞食が銭を乞ふなり。余不意を突かれて思はず大声を発す。乞食余の怒りに恐れをなして逃げ去りぬ。 魯迅古里とは魯迅の生家魯迅故居をはじめ魯迅ゆかりの史跡を集めたるものなり。魯迅の祖父は土地の名士にして家も豊かなりしが、汚職事件に絡んで没落、家屋はいったん他人の手に渡りしが、後史跡として再建されしといふ。 かかるいきさつから、構内の建物には古きものあり、新しく再建されたるものあり。 古き建物の中には昔の台所やら子供部屋などあり。(上の写真は台所なり)また魯迅が少年時代に学びし三味書屋といふ私塾も残されてあり。魯迅らはここにて、四書(スーシュー)五経(ウーチン)諸子百家(スーツーバイジャー)を学びたりといふ。 構内の一角には歌舞の舞台も設へられて、折から一の女優綿々と歌声をあげてあり。余思はず見とれたり。 見物終りて街路に出るに強烈な臭気鼻をつきたり。皮を鞣す匂ひに似たり。臭豆腐の匂ひといふ。この土地の人々はこれが好物にて、年寄りらはこの豆腐とあひるの臀を食いながら紹興酒を飲むを無上の楽しみとなすといふ。 街路の一角には写真にある如き三輪式の人力車多く駐車してあり。紹興にてはただに観光にとどまらず、日常生活においても人力車を用ふるなりといふ。 一舟旅遊酒店なるところにて昼餉をなす。チャーハンに卵スープ、海草スープのほか、アヒルの頸、酢豚風、麻婆豆腐、キャベツ、からし菜、青梗菜、トウガラシ、カリフラワー、トマトなどの料理を供せらる。青島ビールを飲むに、これもまた薄きこと水のごとし。 |
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