中国を語る
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新疆ウィグル自治区で新たな暴動


中国の新疆ウィグル自治区で暴動が起きたようだ。新華社電は、7月18日砂漠のオアシスホータンで、ウィグル人のグループが警察署に放火するなど暴動を起こし、治安部隊員ら4人を殺害したと報道したが、背景など詳しいことは触れていない。一説によれば、死者の数は20人ともいう。

一方、ミュンヘンに本拠を置くウィグル人団体は、中国人による違法な土地収用に対してウィグル人100人ばかりが抗議のデモをしていたところ、中国の治安部隊が発砲したために暴動となったと伝えている。

ここ数年、新疆ウィグル自治区ではウィグル人による暴動が何度も起きている。もっとも激しかったのは2009年7月にウルムチでおきた暴動で、死者200人、負傷者1700人という犠牲をもたらした。

繰り返し起こるウィグル人の暴動を、中国当局はテロ行為だと非難しているが、それを額面どおり受け取るものはいない。背景には中国の経済発展を背景に漢民族が新疆ウィグル地区にも押し寄せ、彼らとウィグル現地人との間に様々な摩擦が生じていることがある。

中国側もこうした事情は十分承知なようで、地方政府当局の責任者を取替え、ウィグルの発展に一定の道筋をつける努力をしているようだが、なかなかうまくいかないという事情があるようだ。(写真はAFP提供)





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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2011
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