中国を語る
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中国のネット人口の4割が日本を理解している

中国共産党系のメディア「環球網」が、「中日国交正常化40周年に、日本政府と国民を評価」という趣旨で中国のネット利用者を対象にアンケート調査を実施したそうだ。アンケートは17の項目からなり、現在進行形の尖閣(釣魚島)問題を念頭に置きながら、日本文化の中国への伝播、野田首相の対中姿勢、中日の相互依存度、中日関係の将来などについて聞いたという。3万4000人が答えたその内容とはどんなものだったか、気になるところだ。

「日本の何が一番好きですか」という質問に対しては「成人向け映像と女優」など日本のセックス関連の要素が32.9%の回答(1万689票)を集めたという。今回の反日デモでは、日本のアダルト女優蒼井そらが中国人たちのヒロインになっていたが、その精神的な背景を物語っているのだろうか。それにしても、中国人の日本理解に最も深くかかわっているのがポルノだとは驚かされるところだ。

日本人の「真面目さと礼儀正しさ」などの優れた性格も26.6%の回答を集めているそうだ。アニメ・マンガ(13.8%)、観光地(10.4%)などが続く一方、芸者や茶道、華道といった日本の伝統文化は2.5%と低く、ネット利用者たちからは重視されていない。

「自分が日本という国を理解していると思いますか」という設問に対して、日本を理解していると答えた利用者は41.1%、理解していないという回答は33.9%、わからないと答えた人は25%に上った。好き嫌いは別にして、隣人を理解している人の割合が半分に満たないというのは、善隣友好と言う点では心もとない。日本政府は、中国人の日本理解についての活動をポルノ女優に任せるばかりでなく、自らも積極的に努力すべきだろう。

「日本製品をボイコットすべきか」という質問に対しては、40.6パーセントがそうすべきだと答えたそうだ。そして、日本製品をボイコットした場合に、中国人にとって不利益が生じるかという問いには、75.4パーセントが他に代替する製品があるので不利益は生じないと答え、代替不能と答えた人は10.1パーセントにとどまったそうだ。

尖閣問題が発端となって、いまや日中関係は最悪の状態だ。そういう時には各々の政府が形式論理を振りかざして角突き合わせるのはある程度仕方がないところだが、一般の国民までもが相手側の国民についてマイナスのイメージを抱いていたのでは、早く解決できることもできなくなる。

日中両国が一般の国民レベルで相互理解を深められないというのは、二国間関係としては非常に困った事態だ。





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