中国を語る
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北京で京劇を見る


先日友人たちと北京に旅行した折、京劇を見る機会があった。テレビでは何度か見たことがあるが、実物を見るのは初めてだ。

場所は梨園劇場といって北京市南西前門建国飯店の中にある。どの程度の格の劇場かはわからぬが、一見したところでは、観光客相手に京劇のエッセンスを見せるところのようだ。一階は前方がテーブル席、後方が椅子席、二階はすべて椅子席である。我々は二階の椅子席から観劇した。

劇に先立って楽屋の光景を見物させてくれる。筆者もカメラをもってその様子を見に行った。すると数名の俳優が一列になって、顔に隈取の化粧をしている。日本の歌舞伎の隈取をもっと派手にしたものだ。



この日の出し物は天女の舞と孫悟空の武勇の場面。天女の舞は日本の羽衣の舞に似ている。前段が優雅な舞で後段が歌だ。京劇特有の発声法はいろいろな流派があると聞くが、筆者には詳しいことはわからない。

孫悟空は劇というより雑技を見ているような気にさせられた。京劇は純粋な演劇ではなく、アクロバットのような身体技を取り組んだパフォーマンスとしての性格が強いようだ。日本の歌舞伎も、出発点では物まねの色彩を強くもっていたものだ。

驚いたことに、劇場の中でカメラのフラッシュを焚いてもとがめられることがない。日本では考えられないことだ。アクロバットを演じている最中にフラッシュの光がじゃまにならぬかと、いらぬ心配をしたりした。といいながら、自分もそのフラッシュを焚いたもののひとりだ。

この日はダイジェスト版を見るにとどまったが、そのうち完璧なものを見たいと思っている。





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