中国を語る
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燻りだした中印国境紛争

カシミール地方における中印国境紛争は長い歴史があるが、なかなか解決の目途はたたない。そんななかで、これまでインド側が実効支配していた地域に中国軍が入り込み、軍事拠点さえ築こうとしているとして、インド側が反発。互いに軍が睨みあう状態が2週間以上続いているという。いまのところ軍事衝突に発展する可能性は弱いというが、それはインド側が自制しているためだと見られている。

インドとしては、今まで実効支配していた地域に侵入されたわけであるから、これを跳ね返すことには、国際法的にも十分な根拠があるといえるのだが、そこのところは我慢して、自制しているということらしい。

一方、中国の方は、中国領内における正常なパトロール活動だと主張している。尖閣と同じやり方だ。領土紛争がある地域には、自分のほうから積極的に入り込んでいって、実効支配の既成事実を作り上げるというやり方である。中国がこうしたやり方を進めるようになったのは、強大化する軍事力を背景にして、自信を深めていることの現れとも受け取れる。

これは、国際紛争を武力で解決しようとするものである。現代の国際秩序の理念に著しく反しているとともに、国際社会全体を敵に回すような愚かな行為だ。

(参考)India, China remain at odds over alleged border incursion By Rama Lakshmi:WP





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