中国を語る
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中国は米をしのぐ超大国になるか


「中国は米をしのぐ超大国になるか?」 こんな設問のアンケート調査を、米調査機関ピュー・リサーチ・センターが世界40か国を対象に行った。その結果、全体の平均では48パーセントの人がイエスと答えたそうだ。比較の対象となったアメリカでも、46パーセントがイエスと答え、ノーと答えた48パーセントとほぼ拮抗した。ヨーロッパなど33カ国では、イエスと答えた割合の方が高かった。

一方、日本では77パーセントの人々がノーと答えたが、これは推測と言うより願望の要素のほうが大きく働いているようだ。そうあって欲しい未来が、そうあるはずの未来と混同されているのだろう。

また、アジアにおける米のプレゼンスについては、ベトナムやフィリピンで七割、日本で六割が良いことだとしている。これらの国々はいずれも中国との間で領土問題を抱えており、米国に中国への牽制を期待していることが背景にあると思われる。

ベトナムとフィリピンは、中国が主導して作ったAIIBには参加している。その点では、米に忠誠を誓って不参加を表明している日本とは違う。政治と経済を切り離して、中国から経済的恩恵を引き出そうというしたたかな姿勢が見られる。

韓国では、アジアにおける米のプレゼンスについて、賛否が拮抗した。これは、中国という巨大な隣国に対して、日本のような対米従属一辺倒の態度を取るのは危険だという戦略的な思惑が働いていることを示しているのだろう。

この調査から浮かび上がったのは、日本の異様とも言える対米従属的(=反中国的)な姿勢である。その姿勢は、政府の権力者ばかりでなく、広く国民の中にも広がっているということが明らかになった。これは安倍政権にとって心強いことだろう。中国との間で「イザ鎌倉」というような事態が勃発した時に、安倍政権は国民の支持をかなり期待できようからだ。





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