中国を語る
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安倍政権は国際平和と言い、中国は地球平和と言う


習近平の中国が東アフリカのジブチに軍事拠点をおく計画を進めているようだ。ジブチと言えば、紅海の入り口にあって、ヨーロッパとインド洋を結ぶ海路の要衝ともいえるところだ。中国は、ヨーロッパとの間を結ぶ海のシルクロード構想を打ち上げていることから、ジブチの軍事拠点は、このシルクロード防衛の拠点として考えているのだろう。

この計画について問われた中国政府のスポークスマンは、これを地球平和のために必要なものだと答えたそうだ。軍事拠点というとものものしく聞こえるので、平和の拠点だと言ったのだろう。

安倍政権の日本も中国には負けていない。昨年閣議決定した集団的自衛権の行使を担保するための法案を、今度の国会に11本も出すそうだが、それを見ると、「国際平和支援法案」を始め、みな国際平和への貢献をうたい文句にしている。安倍政権としても、これらの法案が戦争の遂行を円滑にするためだとは、なかなか言えないので、国際平和などと言う言葉を持ち出したのだろう。

習近平政権の地球平和と言い、安倍政権の国際平和と言い、戦争についての政策を平和と言う名前のオブラートに包んでいることでは共通している。こんな調子では、日中で使われている平和と言う漢字が、戦争を意味するようになる日も遠くはないかもしれない。





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