中国を語る
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中国が2014年度中に米を抜いて世界一の経済大国に:世銀推計


中国が経済規模で米国を追い抜くのは時間の問題だと言われてきたが、それはすくなくとも数年以内のことではないとも言われてきた。というのも、為替レートを基準にして両国のGDPを比較すると、2013年度には中国はまだ米国の5割強に過ぎず、この差を埋めるには、かなりの時間がかかるだろうと、推測されてきたからである。

ところが、世界銀行が、中国のGDPは2014年度中に米国を追い抜く可能性があると発表した。世界銀行は、為替レートではなく、購買力平価を基準にしたGDPの比較を行い、それに基づいて、2014年度中に中国のGDPが米国のそれを抜くと推定したのである。

世銀によれば、2011年度の両国の為替レートは1ドル6.5人民元だったが、購買力平価によれば1ドル3.5ドルになる。つまり、為替レートは、中国の実力を十分に反映しておらず、中国の経済的実力は、見かけよりもずっと高いということらしい。

ともあれ、中国が、名実ともに世界のスーパーパワーになりつつあるということには間違いない。今後の世界経済はますます中国との関わりを深くしていくことだろう。そういう動きの中で肝心なのは、米国を盟主とした世界の経済秩序の中に、中国をどのように取り込んでいくかということだろう。世界最大の経済大国となった中国が、西側の設定した経済秩序を無視する形で、独自の行動をとるようでは、なにかと不安定要因になる。中国を取り込んでこそ、世界の経済が健全な発展をしていくことができるということだ。

そんななかで、アメリカやEUは、中国との良好な関係構築へとますます進んでいくに違いない。日本もまた、その動きから例外ではいられないだろう。やはり、中国とは大局的な観点に立って、良好な関係を築いていく必要がある。いたずらに中国を敵対視し、中国との関係を、政治の面のみならず経済の面でもメチャクチャにするような行為は、長い目で見れば、日本にとっていい結果はもたらさないだろう。





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