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日中首脳の握手




写真(APから)は、昨日(11月10日)北京で行われた日中首脳会談を前に、安倍晋三、習近平両首脳が握手する場面を映したものだ。これを見て異様な感じを抱いたのは筆者のみではあるまい。両首脳ともぎこちないというか、不如意というべきか、要するに喜んで握手しているようには見えない。この時の様子は動画でも放送されていたが、それを見ると、習近平のほうは安倍総理から意識的に視線を外そうとしているようにも見えた。

いままでのいきさつを考えれば無理ないかもしれない。だが、やっと二年半ぶりに日中首脳同士が握手できた意味合いは大きい。せっかく握手できるチャンスをつかんだわけだから、今後はもっと冷静になって、良好な日中関係の構築に向けて、両者が努力するよう願いたいものだ。

会談はわずか25分で終わったそうだ。通訳もいることだから、あまり多くのことは話せなかったようだ。伝えられるところによれば、二往復分のやり取りがあったという。その中で安倍総理の側からは、戦略的互恵関係の確認を求める発言と、尖閣を念頭に置いた危機管理体制確立への言及があった模様だ。

安倍総理は、日中関係の現在のあり方は世界中から注目されていると言ったそうだが、彼の言う世界とはアメリカのことだろう。また、安倍総理は何をおいても尖閣を巡る日中の衝突を懸念する姿勢を示したそうだが、それもアメリカの懸念を代弁しているのかもしれない。なにしろ日中が本格的な軍事衝突に入るのを最も心配しているのは、日中の当事者ではなく、第三者のアメリカだというのが、今の笑えない現実だ。

重ねて言うが、日中の首脳同士が握手できる関係を保てるのはよいことだ。これを機会に、もっと強い信頼関係を築いていくよう、両者とも努力して欲しいものだ。





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