中国を語る
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APECブルー


北京で開かれていたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)は、様々な話題を振りまいたが、なかでも世界の注目を集めたのは北京の空だ。深刻な大気汚染のために、咫尺も弁ぜず、というほどに空気が濁ってみえた北京の街で、APECの期間中青空が見られたのだ。これは、習近平政権が国家の威信をかけて、首都の空を浄化したことの効果だというので、APECブルーなどと呼ばれて皮肉られた。しかし、そんな皮肉をいう者にとっても、一時的とはいえ、北京の空が青く見えたことはいいことだと言わざるを得ないだろう。問題は、今後もこれが維持されるのかということだ。

習近平主席は、北京の空をAPECブルーで終わらせないように努力すると約束したそうだ。オバマ大統領との長い対談の中でも、地球環境のことが問題にあがり、中国も環境問題に取り組むから、アメリカも努力して欲しいと言ったそうだ。こんなことを聞くと意外な思いがしないでもないが、実はアメリカも、いままでは環境問題に熱心ではなかったという事情を指摘できる。

アメリカは京都議定書からいち早く脱退したし、環境対策には必ずしも熱心ではなかった。その姿勢を習近平に突かれて、私も努力するからあなたも努力しなさい、と言われてしまったわけだろう。

習近平のこの呼びかけに対して、オバマは積極的な姿勢で応えたそうだ。





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